傾斜の打ち方

桑田泉プロのクォーター理論による傾斜からのアプローチです。

左足上がりの傾斜

ロフトなりと傾斜なりの打ち方があります。

まずはロフトなりの打ち方です

早目にボールを落としてラン(転がり)を長くしたい時にロフトなりを使います。

左に体重をかけるとロフトが立ちます。
そして、上体だけのボディターンで打ちます。

ロフトを立てるので低く出て、転がして寄せる打ち方。

・傾斜なりとは

次に傾斜なりの打ち方です。

傾斜なりにアドレスするとロフトなりの打ち方に比べて
フェースが上を向くので、ボールが高く上がって
転がりが少なくなります。

ですので、バンカー越えのアプローチや、
ピンが手前の時、
ピンが手前だと転がり過ぎるとかなりオーバーしてしまいますので
そういう時にこの傾斜なりの打ち方をします。

まずクラブを傾斜なりに合わせます。
グリップエンドを左の股関節の当たりにくるように自分が少し回り込んでアドレス

大きくゆったりとしたボディターンスイングで打ちます。

最後に、
リーディングエッジが地面に刺さる、いわゆるザックリしそうな場合、
卓球のドライブのようにフック回転をかけるように打つと
よりミスが減ります。

ロフトなりに打つより、転がりが多くなるので、
その時の状況に応じて使い分けて下さい。

転がす場合(ランニングアプローチ)

転がして寄せたい場合は、クラブのロフトを立てます。
これは普通に構えるよりもボールを低く打ち出すためです。
低く打ち出せば地面に早く落ちるので、
そこから転がってピンに寄っていくイメージですね。

そして左足に体重をかけ、上体の回転で打ちます。
決して手で打ちにいかないでください。
あくまでも上半身(肩、腕、手、クラブ)が一体になって動くイメージで打ちましょう。

どれくらいの振り幅だと、
どれくらいの地点に落ちて、どれくらい転がるか?

というのは、コースでの経験で身に付いてくるものですのですが、
この振り幅で、キャリーはこれくらい
というのを把握しておくだけでも
かなりコースで役立つはずです。

勘違いしないで欲しいのは、
例えば、構えた時のグリップの位置が6時に対して
8時から4時のスイングをしたとすると、

クラブのシャフトはスイングの勢いがあって急に止まらないので
地面と平行くらいまで上がってしまいます。

これをバックスイングが9時まで上がっていると勘違いしないでください。

また、より転がす距離を長くしたい場合は、
卓球のドライブをイメージして同じように打ってみて下さい。

ダフリやザックリが怖いという方には
この打ち方で打った方が失敗しにくいと思います。

上げる場合(ピッチエンドラン)

ピンの位置が手前で、転がすとグリーンの奥まで行ってしまいそうな時や、
手前にバンカーがある時など転がせない状況があると思います。

そういう場合は上げる打ち方で打ってください。

この場合、クラブは傾斜に対して垂直にセットします。
そのクラブのグリップ位置を左足股関節辺りにくるように回り込んで構えます。

要するにバンカーショットのように少しオープンスタンスに構えるという事ですね。

もちろんこの時のグリップは自然にクラブフェースが開いた状態で握ることになります。
普通にクラブを握って手でクラブフェースを開いて構えないようにしてください。
それではボールが左に飛んで行ってしまいます。

そして、打つ時は大きくゆったりとしたスイングで打ってみて下さい。
障害物を超えるために上げなければいけない場面では、
大きくゆったりしたスイングが実践で役立つはずです。

つま先上がりの傾斜

まずは、転がす打ち方からです

つま先上がりの傾斜の場合
平らな場所よりもボールが高い位置にあるので、
普段よりもクラブを短く持ちます。

短く持たないと構えた時に上体が起き上がり過ぎてしまうので
必ず短く持つようにして下さい。

そして短く持てば持つほどクラブのフェース面は左を向くので、
左にボールが行きやすいです。
なのでその分右を向いて構えます。

あとは「引っ掛けてしまえ!」と言いながら
そのまま普通に振るだけです。

別に声に出して言わなくても良いんですが、
斜面だとどうしても足場が不安定ですので、
体が止まったままになる傾向にあります。

なので引っ掛けるつもりで体を回転させた方が
上手くいきやすいです。

ボールの打ち出し角度が低く、
転がりやすいアプローチショットなので、
転がりを考慮して落とし場所を決めてください。

次に止める打ち方です

つま先上がりのアプローチで、
バンカー越えやピンが手前だったり、
あまり転がせないような状況の時は
この止まる打ち方を実践して下さい。

止める打ち方は、先ほどの転がす時と
打ち方は全く一緒ですが
違うのはフェースを開いて打つということ。

先程の転がす打ち方にクラブフェースを開いて構える
というのをプラスするだけで、
スピンが効いて止まってくれます。

クラブフェースを開いた状態で短く持って、
少し右を向いて
「引っ掛けてしまえ」で、
体の回転で打つと、
ピピっと止まってくれます。

まとめると

通常の転がす打ち方
1、短く持つ
2、少し右を向く
3、「引っ掛けてしまえ」と体の回転で打つ

止める打ち方
1、フェースを開いて短く持つ
2、少し右を向く
3、「引っ掛けてしまえ」と体の回転で打つ

左足下がりの傾斜

まずは転がす打ち方からです。

最初に素振りを何回か行って
クラブヘッドの着地点を確認しましょう。

平らな所よりも左足が低く右足が高い位置にあるので、
着地点がいつもより若干右寄りになっているのがわかると思います。

次にヘッドの着地点にボールの位置を合わせて、
傾斜なりに構えます。

傾斜なりっていうのは、傾斜になるべく垂直になるように
構えるという事です。

次に、構えた時の手首の角度を保ったまま、
背骨を軸に肩の回転でクラブを上げるイメージでバックスイングをします。

そして、クラブヘッドを最短距離でボールに当てるように左下に振り抜きます。

こうすることで、狙った方向に真っすぐ転がっていくようなアプローチショットになります。

止める打ち方

先程は転がしても大丈夫な場面での打ち方でしたが、
ピンの位置がグリーンエッジから近かったり、
バンカーなどの障害物があったりなど、
転がすことが出来ない状況では止める打ち方でアプローチしてみましょう。

打ち方は先程の打ち方とほとんど一緒ですが、
違うところはクラブフェースを開くという点です。

まずフェースを開いて握ります。

ここからは先程と一緒で
素振りで着地点を確認してからボールの位置を合わせて
傾斜なりに構えます。

手首の角度を保ったまま肩の回転でバックスイングし、
フェースを最短距離で当てるように左下に振ってボールをつかまえに行く。

これで先程よりもフェースを開いている分
スピンが効いて、あまり転がらずに止まってくれます。

まとめると

通常の転がす打ち方
1、素振りをしてヘッドの着地点を確認
2、着地点にボール位置を合わせて傾斜なりに構える
3、背骨を軸に肩の回転でクラブを上げ左下に振り抜く

止める打ち方
1、フェースを開いて握り、素振りをしてヘッドの着地点を確認
2、着地点にボール位置を合わせて傾斜なりに構える
3、背骨を軸に肩の回転でクラブを上げ左下に振り抜く

つま先下がりの傾斜

まずは、転がす打ち方からです

普通に構えるとライ角がどうしても合わずに、
クラブのトゥ側(先の方)が斜面から浮いてしまいます。

ですので、まずボールの近くに立ってライ角をなるべく合わせます。

傾斜がキツい場合は出来るだけ近くに立つだけで大丈夫です。
スイングができないほど近くに立つ必要はありません。

そしてパターのように振るだけで、転がってピンに寄っていきます。

上手くいかないのは、ライ角が合っていない(トゥ側が浮いた)状態で打つから、
ボールがフェースに当たる面積が小さくて上手く芯で捉えられないというだけなんですね。

打つ前の準備が出来れば難しくありませんので、是非実践で活用して下さい。

次に
止める打ち方です

ピンの位置が近い場合などは止めなければいけません。

その場合は先程の転がす打ち方は一緒で
フェースを開くという事を一つ加えれば止まってくれます。

まず斜面にライ角を合わせて近くに立ちます。
フェースを開いてその分少しオープンスタンスで構えたら、
スタンスに沿ってパターのように振るだけです。

これで少しカットに入るので、スピンが効いて止まってくれるという訳です。

まとめると
転がす打ち方は
1、ボールの近くに立ってライ角を合わせます
2、パターのように振るだけ

止める打ち方
1、ボールの近くに立ってライ角を合わせます
2、フェースを開いて握り、その分オープンに構える
3、パターのように振るだけ